どうしてあの子ばかりが得をしているように見えるの?
職場やSNSにあふれる「かわいい子」たち
朝、鏡の前で髪を整えても、なんだかパッとしない。
そんな気持ちを抱えたまま出社すると、オフィスにはいつもいる「かわいい子」たち。
ナチュラルなメイクに、華やかな笑顔。
周りの人たちからも自然と好かれて、仕事の相談にも乗ってもらっている――そんな光景を見て、胸がざわつくことはありませんか?
SNSを開けば、キラキラした日常をシェアする同年代の女性たち。
おしゃれなカフェ、すらっとしたスタイル、旅行先での幸せそうな笑顔。
「私とは違う世界に生きてるな…」とため息をつきながら、つい何度もスクロールしてしまう。
「なんであの子ばかりが得してるの?」
「私だって頑張ってるのに…」
そんなふうに思ってしまうのは、決してあなたが心の狭い人だからじゃありません。
比較してしまうのはあなただけじゃない
「誰かと比べて落ち込むなんて、情けない」
そう感じることがあるかもしれません。
でも、安心してほしいのです。人と比べてしまうのは、あなただけじゃありません。
私たちは小さなころから、「他の子より早く走れたね」「○○ちゃんはお行儀がいいね」と、無意識に比較の中で育ってきました。
だからこそ、大人になっても「誰かと自分」を比べてしまうのは、ごく自然なことなのです。
それに、誰かがまぶしく見えるのは、あなたに「もっと輝きたい」という願いがあるから。
そんな自分の気持ちに気づいてあげることも、とても大切な一歩です。
嫉妬する自分が嫌い…その苦しさの正体
頭ではわかっていても心がついてこない
「かわいいからって得してばかり…」そう思ってしまうたびに、自分の中の黒い感情に気づいて、さらに落ち込んでしまう。
「嫉妬なんてしても仕方ない」
「自分は自分だって思わなきゃ」
――そんなふうに頭では理解していても、心がどうしても追いつかない。
まるで、自分の中にもうひとりの自分がいて、冷静なふりをしながらも、心の奥では「ずるい」「私だってこうなりたいのに」と叫んでいるような感覚。
それに気づくと、余計に自己嫌悪に陥ってしまいますよね。
誰かに話しても、「そんなの気にしすぎだよ」と軽く流されたり、「あなたにもいいところあるよ」と言われて、ますます孤独になる。
理解してほしいのは、「その感情があること」そのものが、つらさの原因なんです。
「ひがみ」「妬み」という言葉に押しつぶされそうになるとき
「嫉妬」や「ひがみ」「妬み」という言葉には、どこかネガティブで、恥ずかしいイメージがついてまわります。
自分がそんな感情を持っていることすら認めたくなくて、見ないふりをしてしまうこともあるかもしれません。
でも、本当は誰にでもある感情なんです。
ただ、それをうまく扱う方法を、私たちはあまり教わってこなかっただけ。
感情は、良い悪いで判断するものではなく、「今のあなたの気持ちを知らせてくれるメッセージ」。
だからこそ、嫉妬してしまう自分を責めすぎなくていいんです。
その感情は、あなたが何かを大切に思っている証拠かもしれないから。
「あなたもいいところあるよ」では救われない理由
「ポジティブな言葉」が響かない日もある
誰かに打ち明けたとき、「あなたにもちゃんといいところがあるよ」と言われたこと、ありませんか?
その言葉自体に悪意はないし、きっと励まそうとしてくれているのもわかっている。
だけど、心の奥では「いや、そういうことじゃないんだよ…」と、もやもやが残ってしまう。
たとえば、あなたが「Aという形で認められたい」と思っているときに、「Bも素敵だよ」と言われても、心が求めているものとは少し違っていたりします。
「かわいくない自分がつらい」と感じているときに、「性格がいいじゃん」と言われても、それは今の悩みの本質ではないのです。
だから、「ポジティブな言葉」そのものが間違っているわけじゃなくて、心が受け取りたがっている形とズレている。
そんな日は、どんな前向きな言葉も届かないものです。
本音にふたをしないことの大切さ
「そんなこと思っちゃダメ」「もっと感謝しなきゃ」――そうやって、自分の気持ちにフタをしてきた経験、きっと誰にでもあると思います。
でも、本当の感情を見ないふりしていると、ふとした瞬間にそれが爆発して、自分自身がますます嫌いになってしまうこともありますよね。
だから、まずは「嫉妬してしまう自分」も、そっと受け入れてあげてほしいのです。
「うらやましいって思ってるんだね」
「私も、もっと愛されたかったんだね」
「本当は、自分に自信がほしいんだね」
そんなふうに、心の奥の声をやさしく拾い上げてあげること。
誰かの言葉より、何よりも先に、自分自身がその気持ちを認めてあげること。
それが、ほんの少しでも心を軽くする第一歩になるかもしれません。
嫉妬心とうまく付き合っていくためにできること
その気持ちは「あなたが悪い」わけじゃない
まず大前提として、嫉妬してしまうこと自体が「悪いこと」ではありません。
誰かをうらやんだり、つらくなったりするのは、あなたに感受性があり、何かを大切に思っている証です。
人を羨ましく感じるのは、「自分も本当はそうなりたい」「認められたい」「大切にされたい」という願いがあるから。
だからこそ、まずはその感情を持ってしまった自分を責めないことがとても大切です。
感情は、抑え込んだり消そうとするほど強くなってしまうもの。
「そんなふうに感じちゃダメ」とフタをするより、「今、私は嫉妬してるんだな」と気づいてあげるだけで、少しだけ心がゆるむ瞬間が生まれます。
自分の感情にラベルを貼るというヒント
心理学の中に「ラベリング」という方法があります。
これは、自分の感情に名前をつけてあげること。
たとえば、
「今、胸がモヤモヤしてる。これは“くやしい”気持ちかも」
「焦ってるな。置いていかれる不安があるのかも」
といった具合に、感情にそっとラベルを貼ることで、感情に飲み込まれるのを防ぐ効果があると言われています。
嫉妬もまた、怒りや悲しさ、寂しさ、劣等感といったいろんな感情が重なってできています。
それを一つずつ言葉にすることで、だんだんとその感情の輪郭がはっきりしてきて、「あ、自分はこう感じていたんだ」と整理されていくのです。
「うらやましい」は、あなたの本当の願いを映している
「うらやましい」と思う気持ちは、実はあなたが心の中で「こうなりたい」と願っている姿を映し出している鏡でもあります。
たとえば、「あの子はかわいくて人気者だな、ずるいな」と感じるとき、その裏には「自分ももっと愛されたい」「自信を持ちたい」という思いが隠れているのかもしれません。
この“うらやましい”の感情を、自分の「本当の願い」へと変換してみることができたら、それはきっとあなた自身を理解するヒントになります。
「嫉妬しちゃって苦しい」で終わらせずに、「私は本当はどうなりたいのかな?」と、やさしく自分に問いかけてみてください。
その先に、ほんの少しだけでも前に進む道が見えてくるかもしれません。
自分を責めすぎずに、少しだけ軽くなるために
嫉妬するほど真剣に生きている証
人をうらやんでしまうときって、自分のなかに「もっとこうなりたい」「本当はこうありたかった」という気持ちが強くあるとき。
でもそれは、今の自分に満足していないからではなく、それだけ真剣に生きている証でもあると思うんです。
理想があるからこそ、目の前の誰かがまぶしく見えてしまう。
努力しているからこそ、うまくいっているように見える人に嫉妬してしまう。
そんなふうに、自分の感情を少し違う角度から見てみると、「私って、結構がんばってるんだな」って気づけるかもしれません。
苦しくて、心のなかがぐちゃぐちゃになってしまう日もある。
でも、それだけ何かを大切にしている証拠。そう思えたら、ほんの少し、自分にやさしくなれる気がしませんか?
「かわいくなくても幸せにはなれない」なんて、ほんとう?
社会には、「かわいいほうが得」「美人は勝ち組」なんて価値観があふれています。
だからこそ、「私はかわいくないから…」と落ち込むのも無理はありません。
でも、ふと思い出してほしいのです。
あなたの周りにいる「魅力的な人」って、全員がいわゆる“かわいい”人でしたか?
一緒にいると安心できる人、心の底から笑わせてくれる人、自分らしく輝いている人――
外見だけじゃ語れない魅力って、本当はたくさんあるんですよね。
もちろん、「かわいくなりたい」という気持ちを持つこと自体は悪いことではありません。
それはあなたが自分をもっと好きになりたいという前向きな気持ち。
でもそれと同時に、「今の私もちゃんと幸せになっていい」と思えることも、忘れないでいてほしいのです。
「嫉妬してしまう私」も、「今のままじゃ嫌だと思っている私」も、全部まるごとあなた自身。
そのすべてに、価値があるし、ちゃんと愛されていい。
この記事が、そんなふうに思えるきっかけのひとつになれたら、うれしいです。