美容院の時間がちょっと憂うつなのはわたしだけ?
何を話せばいいのかわからない
髪を切るのは嫌いじゃない。
新しいヘアスタイルにだって挑戦したいし、美容師さんのシャンプーは心地いい。
なのに、美容院に行く日は、なぜか少し憂うつになってしまうことがあります。
別に人と話すのが苦手なわけじゃない。
友だちとのおしゃべりは楽しいし、職場でもふつうに会話はしている。
でも、美容院だけはちょっと違う。
なんとなく、どう距離感を取ればいいのかわからなくて、気づいたら余計に気をつかってしまうのです。
オシャレな相手に、気後れしてしまう
相手は、オシャレでキラキラした美容師さん。
雑誌のモデルみたいな人も多くて、「こんな自分が何を話せばいいんだろう……」と、ちょっと気後れしてしまうことも。
話している最中に、変なことを言ってないか、つまらないって思われてないか、妙に気になってしまって、帰る頃にはぐったり。
「もしかして、こんなふうに思ってるのって、自分だけ?」
そう思って誰にも言えずにいたけれど、実は同じような気持ちを抱えている人は少なくないようです。
なぜ「話したくない」と思ってしまうのか
距離が近すぎるように感じる
美容師さんとの会話って、意外とパーソナルな話題になりがちです。
休日の過ごし方や仕事のこと、恋愛の話なんかもふつうに出てくる。
たった数十分〜1時間の間に、わりと深いところまで入ってこられるような感覚に、戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。
もちろん、美容師さんに悪気があるわけではありません。
でも、自分のことをまだよく知らない相手に、当たり前のようにプライベートを聞かれると、「なんでそこまで話さないといけないんだろう」と、心の扉をそっと閉じたくなる瞬間があります。
話す気分じゃない日もある
普段はそうでもなくても実際にはただ疲れてたり、人と話す気分じゃないという日もあります。
話す気力が湧かないときもあるし、静かにぼーっとしたい日もある。
そんな日にも、美容院の「楽しく会話をする時間」という空気に、うまく自分を合わせられなくて、しんどくなってしまう。
それに、美容師さんがあまりにも明るくて社交的だと、ますます自分の無愛想さが目立つような気がして、居心地の悪さを感じてしまうことも。
誰かと話すのがイヤなんじゃなくて、「今は話したくない」だけ。
でも、その気持ちを言葉にするのって、案外むずかしいものです。
本当は少し憧れてもいる
気軽に話せる関係ってなんだか素敵
「話しかけられたくない」と感じる一方で、美容師さんと楽しそうに話している人を見ると、少しだけ羨ましくなることがあります。
まるで友だちみたいに笑い合いながら、気さくに会話している姿。
それが自然にできる人って、なんだかかっこいいし、自分もあんなふうに話せたらいいなと思ってしまう。
通い慣れたお店で、名前を覚えてもらって、「今日はどうする?」ってラフに話しかけられる。
そんな関係になれたら、もっと気楽に美容院に行けるのかもしれない。
だからこそ、「話さない自分」はダメなんじゃないかって思ってしまうこともあるのかもしれません。
居心地のいい場所にしたいだけ
本当に求めているのは「たくさん話すこと」ではなくて、「気をつかわずに過ごせる場所」。
会話があってもなくても、自分らしくいられる時間。
無理して笑ったり、気を張ったりしなくても、美容師さんとの距離が心地よく保たれている。
そんな空間なら、また来たいと思える。
憧れがあるのにうまく話せない自分を責めてしまうこともあるけれど、居心地のよさのかたちは人それぞれ。
「話さない」ことを選ぶのも、十分にありなんです。
「話したくない」と伝えるのが難しい理由
気まずくならないか心配
最近では、美容院の予約時やアンケートで「会話は希望しますか?」と聞かれることも増えてきました。
でも、「話したくない」にチェックを入れるのって、なんだか気まずく感じてしまうことがあります。
「感じ悪いって思われないかな」とか、「変に気をつかわれたらどうしよう」とか。
そう思って、つい「話しかけても大丈夫」にしてしまうこともあるかもしれません。
察してほしい、でも言いづらい
「今日はちょっと話したくないな」と思う日もあるけれど、それをわざわざ伝えるのは難しいと感じる人は多いと思います。
美容師さんが嫌なわけじゃないし、むしろ丁寧に接してくれることには感謝しています。
だからこそ、「今日は話さずにいたい」と言うのは、なんとなく悪い気がしてしまって。
できれば察してほしいけれど、空気だけで伝えるのも難しい。
結局、なんとなく会話が始まって、なんとなく気をつかいながら過ごすことになる。
そんな経験、ある方も多いのではないでしょうか。
美容師さんはそこまで気にしていない
「話さないお客さん」もふつうにいる
美容院で話しかけられたくないと思うと、「無愛想に思われたらどうしよう」と不安になりますよね。
でも実際のところ、美容師さんにとっては、お客さんとの会話スタイルは人それぞれ。
当たり前にあることのひとつだそうです。
毎日いろんな人を相手にしている美容師さんのなかには、「話す人」「静かに過ごしたい人」「その日によって違う人」など、いろんなタイプに慣れている人が多いです。
だから、「話したくない」と感じること自体、特別でも変でもないんです。
むしろ「無理に話している感じ」が伝わる方が気になってしまうこともあるそうで、「無言でもいい雰囲気で過ごせる方がうれしい」という声もよく聞きます。
気まずさをつくらないのもプロの仕事
「何か話さなきゃ」と思うときほど、お互いに気まずさを感じてしまいがちです。
でも、沈黙の時間を心地よく整えるのも、美容師さんにとっては大事な仕事のひとつ。
言葉がなくても安心して過ごしてもらえるよう、技術だけでなく空気づくりも大切にしている方も多いんです。
だから、「話さなくてごめんなさい」と思う必要はありません。
お客さんがリラックスしてくれることをいちばんに考えている美容師さんにとって、あなたが自然体でいられることが何よりの理想です。
やんわり距離を伝える、小さな工夫
「今日は静かに過ごしたくて…」と言ってみる
会話を避けたい気持ちはあるけれど、何も言わずに無言でいるのはやっぱり気まずい。
そんなときは、最初にひとこと「今日はちょっと静かに過ごしたい気分なんです」と伝えてみるのもひとつの方法です。
たったそれだけで、美容師さんも空気を読もうと気を張らずにすみますし、自分自身も安心してリラックスしやすくなります。
「無言=不機嫌」ではなく、「無言=自然体」と受け取ってもらえたら、お互いにとって心地よい時間になるかもしれません。
難しく考えずに、「今日はぼーっとしたいんです」「眠くてあんまり話せないかもです」といった、軽い言い方でも十分です。
スマホや本で“話さないモード”を伝える
何かを口に出すのはハードルが高い…というときは、行動でさりげなく示すのもアリです。
スマホを開いたり、本や雑誌を読んだりして、「今はひとり時間を楽しみたいんだな」という雰囲気を伝えることで、自然と会話を控えてもらえることがあります。
特に最近は、そういったスタイルのお客さんも増えているので、美容師さん側も察してくれることが多いです。
遠慮せずに、自分がラクに過ごせる姿勢をとって大丈夫です。
自分に合った美容院を探してみる
どうしても会話がしんどい…という場合は、「話さないスタイル」が自然にできる美容院を選んでみるのもひとつの方法です。
SNSや口コミで「静かに過ごせた」「話さなくて安心だった」といった感想が多いお店をチェックしてみると、同じような感覚をもった人たちが通っているサロンに出会えるかもしれません。
気をつかわなくていい場所がもっと増えたらいい
美容院って、ほんとうは自分を整えて、自信をチャージする場所のはずです。
でも「話しかけられたらどうしよう」「ちゃんと会話を続けられるかな」と不安になってしまうと、それだけで気持ちが重たくなってしまいますよね。
もっと気をつかわずに過ごせる場所があったらいい。
会話をしたい日には楽しく話せて、話したくない日にはそっとしておいてくれる。
そんなふうに、こちらの気分に合わせてくれる美容院が、もっと当たり前になっていったらいいなと思います。
無理に話さなくても、相手に失礼になるわけじゃないし、自分が悪いわけでもありません。
人と関わるエネルギーが足りない日だってあるし、ただ静かに過ごしたい気分のときもある。
それをちゃんと選んでいいんです。
話さないことを選んだとしても、美容師さんはちゃんと髪をきれいに整えてくれて、自分もきっとまた前を向けるはずです。
だから、「話しかけられたくない」と思ってしまう自分を責める必要なんて、どこにもないのだと思います。