疲れるのは、ちゃんと向き合ってきたから
「またか…」と心の中にうっすらとモヤモヤが広がる。
友だちとの雑談、職場でのちょっとした会話。
そんな何気ないやりとりの中で、さりげなく自分のほうが上だとアピールしてくる“マウント女子”に、うんざりすることってありませんか?
たとえば、「彼氏がハイスペで〜」「◯◯のバッグ買ったの」とか、「あの程度の仕事、私ならもっと早く終わるよ」なんて、遠回しに“すごいでしょ”を押し付けてくる人。
悪気はなさそうだけど、なんだかいつも張り合ってくる。
そんな人と話すと、なぜか疲れてしまう。
あなたはただ楽しく話したいだけなのに、いつのまにか心が重たくなってしまう――そんな経験、きっと誰にでもあると思います。
でも、それにしんどさを感じるのは、あなたがちゃんと人と向き合ってきたから。
その場を壊さないように気を使ったり、「自分が気にしすぎかも」と我慢したり。
そうやって大人の対応をしてきたからこそ、積み重なった疲れがあるんです。
だからまずは、自分の感じた「なんかしんどい」を、否定しなくていいんだよということを、ここでそっと伝えたいのです。
マウント女子の特徴と心理
マウントを取ってくる人って、いつも自分のほうが“上”に見られたいような言動をします。
たとえば、こちらが悩みを打ち明けると「私はもっと大変だったよ」と返されたり、話題を自分にすり替えたり。
何かにつけて「自分のほうがすごい」「わたしって恵まれてるよね」と言いたがる傾向があります。
こうしたマウント女子の特徴には、実はある共通点があります。
1. 自信がないからこそ上に立ちたがる
一見、自信たっぷりに見えるマウント女子。
でもその裏側には「誰かに認められたい」「劣っていると思われたくない」という強い不安があることが多いです。
本当に自信がある人は、他人と比べて優位に立つ必要なんて感じません。
マウントを取ることでしか、自分の価値を確かめられないのは、むしろ心のどこかが不安定な証かもしれません。
2. 話題がいつも“自分中心”
会話が自然と“自分語り”になる人っていますよね。
マウント女子は、あなたの話を聞くふりをしても、最終的には自分の話に持っていきたがることが多いです。
話していて「聞いてくれている気がしない」「比較されてる感じがする」と思ったら、その直感はきっと当たっています。
3. 比べることで、自分の価値を測っている
マウントの根っこには、「誰かより上でありたい」という思いがあります。
学生時代の成績、就職先、恋人、年収、家柄…どんな話題でも比較して優劣をつけたがるのは、そこにしか自分の価値を見いだせないから。
だけど、それはとても疲れる生き方でもあります。
マウント女子への対処法5選
関係を壊したくないし、無視するのも感じが悪い。
でも、このまま付き合い続けるのは正直しんどい――そんなときに使える、“無理なく自分を守る”ための対処法を5つご紹介します。
1. 心の中で流す
「はいはい、また始まったな」と、心の中でそっと受け流す技術はとても大事です。
マウント女子の言葉をすべて真に受ける必要はありません。
表情はにこやかに、でも心では“受信しないモード”に。
相手の言葉を“通り過ぎる風”くらいに思えると、少し楽になります。
2. 話題を変える
「へぇ、そうなんだ! ところでさ…」と自然に話題を切り替えることで、相手の“上から目線”を遮ることができます。
急に会話を終わらせるのではなく、話の流れを変えるだけ。
ちょっとしたことですが、心の負担がぐっと軽くなります。
3. 距離を取る
物理的にも心理的にも、近づきすぎない距離感を意識することが大切です。
頻繁に連絡を取り合わない、会う頻度を減らす、SNSのやりとりも控えめにするなど、自分がしんどくならない距離を見つけましょう。
4. 質問して立てる
相手を「すごいね!」と持ち上げるのではなく、「それってどうやってやったの?」など質問をして、相手が優位に立ちたい欲を軽く満たしてあげるのも一つの手。
こちらが主導権を握る形になると、意外とマウントは落ち着くこともあります。
5. その場を離れる
会話がしんどくなったときは、自分を守ることを最優先にしていいんです。
予定を理由にして席を外す、LINEを既読スルーにするなど、小さな“逃げ道”を持っておくと心が守られます。
無理に付き合わなくていい
「でも、昔からの友だちだし…」
「職場の人だから、波風立てたくない…」
そうやって、自分の気持ちよりも“関係の継続”を優先してしまうのは、あなたが思いやりのある人だからこそ。でも、相手のペースや空気にばかり合わせていると、あなたの心がどんどんすり減ってしまいます。
マウントを取ってくる人と、無理に仲良くし続ける必要はありません。
関係を切るのが難しい場合は、「距離をゆるめる」選択でも十分です。
たとえば、会う頻度を減らす、連絡を即レスしない、SNSの投稿を見ないように設定する…。
そうした小さな工夫の積み重ねで、相手との距離を自然に取ることができます。
また、自分のことを無理に話さないのも有効です。
マウント女子は、あなたの情報が多いほど“比較材料”にしやすくなります。
少しミステリアスでいるくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
あなたの心の平和は、誰よりも大切にしていいもの。
「感じのいい距離感」を探すことは、逃げることでも、冷たいことでもありません。
それはむしろ、自分をちゃんと守ろうとしている、優しい行動です。
マウントを続けた人の末路
その場ではうまくやっているように見えるマウント女子。
でも、マウントを取り続ける人がずっと人間関係を保てるかというと、そうではありません。
1. 人が離れていく
最初は「すごいね」と聞いてくれていた人たちも、次第に疲れてしまいます。
相手の幸せを素直に喜べない、何を話しても比べられる――そんな関係は、時間が経つほどにしんどくなるもの。
結果として、周りから少しずつ人が離れていき、気づいたときには“誰も本音を話してくれない”孤独な状態になってしまうこともあります。
2. 本当のつながりが築けない
マウントを取りたくなる気持ちの裏には、「認められたい」「尊敬されたい」という思いがあります。
でも、人は“上に立つ人”より、“同じ目線でいてくれる人”に心を開くもの。
ずっと優位でいようとするあまり、対等な信頼関係を築けずに終わってしまうことも少なくありません。
3. むなしさに気づくときがくる
一時的に“勝った”としても、それが本当に心を満たすものであるかどうかは別問題です。
誰かと比べ続ける人生は、どこまで行ってもキリがないし、疲れます。
マウントで自分を大きく見せることに慣れてしまった人ほど、ふとしたときに「なんのためにこんなことをしてきたんだろう…」とむなしさを感じる瞬間が訪れるかもしれません。
そしてそのとき、ようやく“本当の強さ”は、誰かを下に見ることじゃなくて、誰かとちゃんと向き合える心の余裕なのだと気づくのです。
あなたはあなたのままでいい
マウントを取ってくる誰かと接するたびに、「私ももっと頑張らなきゃ」「比べられても恥ずかしくないようにしなきゃ」と、心がざわつくこともあるかもしれません。
でも、他人と比べて生きる必要なんて、本当はどこにもないんです。
あなたには、あなたのペースがあって、あなたの幸せの形がある。
周りの誰かがどう思おうと、それは変わらないし、変える必要もありません。
もし今、誰かのマウントに疲れてしまっているなら、まずは深呼吸をひとつ。
その関係から少し離れて、自分の心がホッとできる時間を持ってください。
人間関係って、がんばって耐えるものではなくて、安心できるものであっていいはずだから。
そしてなにより忘れないでいてほしいのは――あなたは、誰かと比べなくても、すでに十分素敵だということ。
自分を大切にすることは、わがままじゃない。
それは、ちゃんと自分を生きているってことなんです。