いつからだろう?
彼の前ではいつも気を遣って、自分の意見や気持ちを伝えることすら怖い―。
それでも、楽しい時間や優しい一面もあるからこそ、一緒にいたい。
誰かを好きになるって、そうやって気づかないうちに「我慢」や「無理」を自分に課してしまうことがあります。
そのうえで、「どうしたら良い関係になれるのか」と悩むあなたの気持ちは、とても真剣で、愛のあるものです。
彼の前で「本音が言えない」と気づいたとき
最初は、彼の優しさや楽しさに惹かれて始まった関係。
でも、いつの間にか彼の顔色を伺い、自分の気持ちを押し殺すようになっていませんか?
「ちょっとしたお願いをしただけなのに嫌な顔をされる」
「自分の意見を言うのが怖い」
そんな状況が続くと、心が疲れてしまいます。
それでも、「彼の優しさを信じたい」「関係を続けたい」と思うのは、あなたの中にある愛情の証です。
どうして私だけが我慢するの?
「彼に嫌われたくない」
「関係を壊したくない」と思うあまり、自分の気持ちを後回しにしていませんか?
でも、恋愛は二人で築くもの。
一方が我慢し続ける関係は、対等とは言えません。
自分の気持ちを大切にすることは、わがままではありません。
むしろ、健全な関係を築くために必要なことです。
「対等な関係」って、そもそもどういうこと?
「対等な関係」って、言葉ではよく聞くけれど、実際にはどういうことなのでしょうか。
簡単に言えば、“どちらか一方が我慢しすぎたり、主導権を完全に握っていたりしない状態”のこと。
お互いの気持ちや考えを「ちゃんと聴く・伝える」が自然にできる関係です。
たとえば、あなたが何かをお願いしたときに、相手がちゃんと聞く耳を持ってくれる。
逆に、相手が困っているときには、あなたも自然に寄り添える――そんな“バランスのよさ”がある関係です。
対等であることは、「ケンカしない」や「なんでも平等に分け合う」こととは違います。
価値観や考えが違っても、それを否定せずに受け止め合い、必要なときは話し合えること。
つまり、“安心して自分の気持ちを出せる関係”が、対等な恋の土台になります。
あなたの「嫌だな」「不安だな」という気持ちが無視されるような関係は、対等とは言えません。
まずはその感覚を大事にしていいのです。
少しずつでも、本音を言えるようになるために
小さなお願いから始めてみる
いきなり大きな本音や不満を伝えるのは、怖くて当然です。
まずは、日常のなかで「これ、手伝ってくれる?」「今日はこれが食べたいな」といった小さなお願いごとをしてみましょう。
ポイントは、“命令”にならないように、あくまでお願いの形で伝えること。
相手が応じてくれたら、「ありがとう」としっかり伝えることで、ポジティブなやりとりが生まれます。
この小さな成功体験が、「自分の気持ちを出してもいいんだ」という安心感につながります。
自分の気持ちを「言葉にしてみる」
「本音を言えない」と感じている人の多くは、そもそも自分が“何をどう感じているのか”をうまく整理できていないこともあります。
だからこそ、まずは一人の時間で「今、私は何を感じてる?」と心に問いかけてみてください。
「寂しい」「悲しい」「不安」「疲れてる」
そうやって言葉にするだけでも、気持ちは少しずつ整理されていきます。
紙に書いてみるのもおすすめです。
言葉にできるようになれば、それを誰かに伝えることも、少しだけ怖くなくなります。
「ぶつかること=悪いこと」じゃないと知る
本音を言うと相手に嫌われるのでは、と怖くなる気持ち、よくわかります。
でも、意見や気持ちが食い違うことは、どんな関係でも自然なことです。
それを“ぶつかる=関係が壊れる”と捉えてしまうと、ますます言えなくなってしまいます。
伝え方にはもちろん工夫が必要ですが、「違うことを話し合える関係」が、本当の意味で信頼し合える対等な関係でもあります。
衝突を避けることよりも、丁寧に向き合おうとする姿勢を大切にしてみてください。
「伝える」練習は信頼できる人からでもいい
もし、どうしても彼に直接本音を伝えるのが怖いなら、まずは信頼できる友人や家族に、自分の気持ちを話すことから始めてみましょう。
「こんなことで悩んでるんだけど…」と口にすることで、自分の中にある感情がはっきりしてくることがあります。
自分の気持ちを人に話すという経験は、本音を言うための大切なステップになります。
毎回似たような恋愛を繰り返してしまう人へ
「今回の彼がたまたまそうだった」のではなく、「気づけばいつも同じような恋愛をしてしまう」
そんな自覚があるなら、それはとても大切な気づきです。
同じようなパターンの恋愛を繰り返してしまう背景には、心の奥深くにある「愛されたい」「見捨てられたくない」といった感情が影響していることがあります。
たとえば、自分に自信が持てずに「相手に選ばれること」に価値を感じてしまったり、相手に合わせることで安心感を得ようとしていたりするのです。
恋愛は、自分の“心の癖”があらわれやすい場所でもあります。
だからこそ、同じような関係が続いてしまうことを、ただの偶然ではなく、「自分の内面と向き合うタイミングかもしれない」と考えてみるのもひとつです。
大切なのは、「なんでまたこんな人と…」と責めるのではなく、「私はどんなときに、こういう人を選んでしまいやすいんだろう?」と優しく問いかけてみること。
そこから、自分の心を少しずつ整えていくことで、次の恋愛で違う選択ができる可能性が生まれます。
あなたが繰り返し同じパターンに陥っていたとしても、それは「これから変われない」という意味ではありません。
むしろ気づけた今が、これからの恋愛を変えていける“はじまり”なのです。
関係を見直すことは、逃げじゃない
「依存してしまう私」「我慢してしまう私」――そんな自分を責めないでください。
それは、あなたが一生懸命に愛してきた証でもあるのです。
恋愛に正解はありません。
でも、関係のなかであなたの心が傷つき続けているのなら、そこに目を向けてあげることは、決して“逃げ”ではありません。
むしろ、自分の人生を大切にしようとする、強く優しい選択です。
「私が悪いのかな」「もっと我慢すればうまくいくのかな」――そう思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、人間関係は“どちらかが我慢する”ことで成り立つものではありません。
あなたが穏やかな気持ちで過ごせる場所に身を置くことこそ、幸せな未来への第一歩です。
きっと、大丈夫。あなたにもできる
本音を言うのが怖いのは、それだけ相手との関係を大切に思っているから。
でも、あなたの気持ちをないがしろにしてまで続ける恋に、幸せを感じられなくなってしまったなら――その気持ちに、そっと寄り添ってあげてください。
対等な関係は、一方的に努力して作るものではなく、お互いの思いやりと尊重で育まれていくもの。
あなたにも、ちゃんとそれを築ける力があります。
焦らなくて大丈夫。
少しずつでいい。
あなたがあなたらしくいられる関係に、きっと出会えます。