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辞めたいのに言い出せない…人が次々辞める職場で退職を伝える7つのヒント

仕事が毎日ぎゅうぎゅう詰めで、ふと「もう辞めたい」と思ったことはありませんか?
同僚や先輩、新しく入った人までもがどんどん去っていく職場では、言い出すのも後ろめたくてつい胸の奥にしまい込んでしまいがちです。
この記事では、そんなあなたのモヤモヤをすっと軽くするために、辞めたいのに言い出せない理由から、実際に退職を伝える「7つのヒント」、そして最終出社日までラクに過ごすコツまで、心理学的な視点も交えてご紹介します。

なぜ「辞めたいのに言い出せない」のか?

言い出せない心理メカニズム

仕事を続けているうちに、「辞めたいけど自分だけ逃げ出すみたいでズルいかも」「このまま我慢したほうがいいのかな」といった葛藤が生まれやすくなります。

これは、失敗を避けたいという「損失回避バイアス」が働くためです。

人は未知の選択肢(退職)によって得られる利益より、現状を手放すリスクのほうに強くフォーカスしがち。
結果として、言い出したい気持ちを頭の中で何度も却下し、行動に移せずにストップしてしまうのです。

人が次々辞める職場だからこそ強まるプレッシャー

人がどんどん辞めていくと、退職者の分の業務は残ったメンバーにのしかかり、常にやることに追われる忙しさに。

余裕がなくなるほどタスクが積み上がると、心も体もつらくなり、「私まで辞めたら職場が回らなくなるかも」と自分を責めてしまいがちです。

そんなときこそ、人手不足の現状を働き手として何とかしなければという責任感が強まり、悩みを口に出しにくくなってしまうのです。

職場の人手不足が解消されない3つの理由

業務負荷のしわ寄せ

誰かが辞めると、その人の業務は残ったメンバーに自動的に降りかかります。
限られた人数で複数の業務をこなすうちに、ひとりひとりの負担がどんどん重くなり、疲弊が加速。
結果として、新たな改善策を考える余裕もなく、また誰かが辞めるという悪循環な状態が続いてしまいます。

改善策の後手後手

人手不足の根本原因は、採用計画や育成フロー、働き方改革など「構造的な改善」にあります。
しかし、目の前の欠員補充にばかりリソースを割いてしまうと、根本的な仕組みづくりが後回しに。
どれだけ求人を出しても同じ理由で人が辞め続け、なかなか定着率が上がらない悪循環に陥ります。

マネジメント・組織文化のずれ

上司と部下のコミュニケーション不足や、意見を言いづらい雰囲気も大きな要因です。
たとえば「残業は当たり前」「相談するなら自分で解決してから」といった文化が根付くと、困ったときに助けを求められず苦しむ社員が増えます。
このミスマッチが離職の引き金となり、気づけば人手不足が慢性化してしまうのです。

迷わず退職を伝える7つのヒント

ヒント① ベストな時期を見極める

退職を打ち明けるタイミングは、相手の心象を大きく左右します。
月末や年度末など、仕事の区切りがつきやすい時期を選ぶと、「引き継ぎの計画を立てやすい」と上司にも同僚にも受け止められやすくなります。
また、自分自身も「これを一区切りに……」という気持ちで前向きになりやすいもの。
繁忙期すぎや大型連休前後など、職場のスケジュールを見渡して、比較的ゆとりのあるタイミングを狙いましょう。

ヒント② 伝え方テンプレート

言葉に迷うとつい遠回しになりがち。

例えば面談であれば、

◯◯さん(上司の名前)、いつも気にかけていただいてありがとうございます。
実はこのたび、□□(理由)を考えた結果、◯月△日をめどに退職させていただきたいと思っています。
引き継ぎや調整は責任を持って対応しますので、ご相談の時間をいただけますでしょうか?

のように、①感謝 ②退職意思 ③理由(ざっくり)④具体的日程 ⑤引き継ぎ対応、を盛り込むとスムーズです。

ヒント③ 伝える方法

退職を伝える方法は、基本的には「面談」がベストですが、そのような機会がない場合や上司と顔を合わせるタイミングがあまりないという方はまずメールでアポイントを取るのが◎。

いきなり本題を切り出すのではなく、まずは「ご相談の時間をいただきたいです」とワンクッションを入れるのがおすすめです。

ヒント④ 認知行動療法(CBT)の活用法

CBT(認知行動療法)とは、「思考(C:Cognition)が感情(E:Emotion)や行動(B:Behavior)に影響する」という考え方に基づき、ネガティブな思考パターンを見直して心を軽くする心理療法です。

思考の棚卸し:「辞めたら迷惑をかける」だから言い出せない
事実との照合:実際にどれくらいの業務量があるか、具体的にリストアップ
新たな思考の形成:「計画的に引き継げば、影響は最小限に抑えられる」と置き換える

このプロセスによって、不必要に自分を追い込む思考クセを修正し、証拠に基づいた自信が生まれます。

ヒント⑤ 第三者(キャリア相談など)を味方につける

社内の信頼できる先輩や、外部のキャリアカウンセラーに一度相談することで、自分の考えを整理できます。
客観的な視点から「言い方のアドバイス」や「本当に辞めるべきかの意見」をもらうことで、後押しにもなりやすいです。
また、社内相談窓口や労働組合があれば、具体的な手続きや法律面のサポートも受けられるので安心度が高まります。

ヒント⑥ 「迷惑」を最小限に抑える

退職後の業務に支障が出ないよう、引き継ぎ資料やタスク一覧を作成しておきましょう。

業務フロー図:一連の作業手順を可視化
優先度リスト:最初に習得すべき項目を明示
引き継ぎマニュアル:操作手順や問い合わせ先を明記

これらを事前に用意しておくと「しっかり準備してくれた」と感謝され、自分も安心して退職に臨めます。

ヒント⑦ 正直な気持ちを支えるマインドセット

最後は、自分自身への理解と許可です。
「辞めたい」と思うのは、決して弱さではありません。
自分の健康、成長、ライフプランを大切にするための前向きな決断なのだと捉え直しましょう。

  • 毎日鏡に向かって「私は自分を大切にしていい」と声に出す
  • ノートに「辞めることで得られるメリット」を書き出して可視化

これらの習慣が、罪悪感や不安を和らげ、勇気をもって一歩を踏み出す後押しになります。

退職するときの「罪悪感」を和らげる考え方

罪悪感の正体は自己責任感 vs. 他者期待感

退職を決意すると、多くの人がまず感じるのが「申し訳ない」「迷惑をかけるかもしれない」という罪悪感です。

この感情には大きく分けて2つの要因があります。

自己責任感

「最後までがんばらなければ」「自分なら耐えられるはず」という内なる声。
真面目で誠実な人ほど、逃げずにやり遂げたいという気持ちが強く芽生え、辞める自分を責めやすくなります。

他者期待感

周囲の目線や評価への意識。
「チームの仲間に裏切りと思われたくない」「上司にガッカリされたくない」という不安が、罪悪感を増幅させます。
自分だけ楽をするわけにはいかないという気持ちが、心のブレーキとなってしまうのです。

まずはこの2つが心の中でせめぎ合っていると理解するだけでも、「なぜこんなに苦しく感じるのか」が整理できます。
自分を責める声に気づき、「これは自己責任感から来ているな」「これは他者の期待を意識しすぎているな」とラベリングしてみましょう。

リフレーミングで「自分を責めない」ヒント

罪悪感をただ抱え込むのではなく、次のように思考を転換(リフレーミング)すると、心がぐっと軽くなります。

① 貢献と限界を切り分ける

「私が辞めても仕事は回る」「チームの負担を最小化できる仕組みを作れば大丈夫」と自分の役割と責任範囲を明確に言葉にしてみましょう。
貢献できる部分と、自分のキャパシティを超える部分を切り分けることで、自責の念が和らぎます。

② システム的要因を俯瞰する

「人手不足が解消されないのは組織全体の構造問題」「入社時のフォロー体制が弱いのが本当の課題」と、個人の責任ではなく職場環境の改善点として捉え直します。
そうすることで、「自分がもっと頑張れば……」というプレッシャーから解放されます。

③ 自分への優しさを習慣化する

毎晩寝る前に「今日はこれだけがんばった」と3つ書き出す、鏡の前で「よく頑張ったね」と声をかけるなど、小さなセルフ・コンパッション(自分への思いやり)を積み重ねましょう。
科学的にも、自分をいたわる習慣はストレス軽減に効果的とされています。

これらのリフレーミングを繰り返すことで、「辞める=悪いこと」という固定観念をゆるめ、心地よい決断へとつなげることができます。

最終出社日までの過ごし方

退職は伝えたものの、最終出社日までの期間は、気持ちが落ち着かないもの。

最後まで気持ちよく働くためには、周囲との関係を丁寧に締めくくることも大切です。
ちょっとしたひと言や小さな行動が、あなた自身の前向きな締めくくりにつながります。

直接の「ありがとう」を忘れずに

朝礼やチームミーティングのあと、一緒に働いた同僚一人ひとりに「教えてくれて助かりました」「いつもフォローありがとう」と伝えましょう。
口下手でも、短くてOK。
具体的なエピソードを添えると、相手にも温かい気持ちが伝わります。

メールやメッセージでフォローアップ

退職前は慌ただしくなりがち。
直接会えなかった方々には、グループチャットやメーリングリストで改めて感謝を伝えましょう。
「今まで本当にお世話になりました。次のステップでもがんばります!」といった一文があるだけで、印象がぐっと良くなります。

最後まで真摯に仕事と向き合う

「どうせもう辞めるし適当でいいや」
そんな態度は社会人として褒められたものではありません。

辞めるからといって手を抜かず、ルーチン業務やプロジェクトにも責任を持って取り組むことで、自分自身の誇りを保てますし、周囲にも「最後まで頼りになる人」という印象を残せます。

引き継ぎを徹底する

引き継ぎ資料の更新はもちろん、後任者への口頭説明やQ&A対応まで丁寧に行いましょう。
スムーズに業務が回るようサポートすることで、職場への恩返しにもなります。

次の一歩を踏み出すために

辞めたあとも自分を支えるセルフケア

退職後は心と体に大きな変化が訪れやすいタイミング。
まずはゆっくり休むこと、自分を労わる時間を意識的に作りましょう。

  • 十分な休息とリズムの確保
    睡眠不足は不安感を増幅させるので、毎日同じ時間に寝起きし、軽いストレッチや深呼吸で心身をリセット。
  • 感情のアウトプット
    日記や音声メモで「今日感じたこと」「これからどうしたいか」を書き出すと、頭の中が整理され、新しい一歩へのヒントが見つかります。
  • 栄養バランスと軽い運動
    ビタミンやミネラルをしっかり摂りつつ、散歩やヨガなどの軽い運動でセロトニン(幸せホルモン)を活性化。
  • 信頼できる人との対話
    家族や友人、カウンセラーに気持ちを話すことで、「ひとりじゃない」と感じられ、不安が和らぎます。

自分を大切に扱う習慣を積み重ねるほど、次のステップへ向かう自信が自然と育まれていきます。

あなたには、これまで頑張ってきた力があります。
新しい一歩を踏み出すその瞬間から、また新しい物語が始まります。
自分を信じて、心軽やかに前へ進んでいきましょう。

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